ハロー!ドイツ・ベルリ在住のユキです。
(初めましての方へ。自己紹介はコチラです🧏🏻♀️)
今回はコロナ禍にオンラインでドイツ語を習っていたときにドイツ語の先生から教えてもらった、コメディアン・ハーモニスト(Comedian Harmonists)という男性ボーカル・グループについて書きます。
この名前を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
🧏🏻♀️「私はこの日のレッスンで初めて知りました。お隣のスイス出身の息子の父親は聞いたことがないと言っていました。」
束の間の栄光
コメディアン・ハーモニストは1927年に結成された男性6人組です。
古典的な歌からフォークソングまで網羅して、第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間に絶大な人気を博しました。
彼らはベルリンを拠点としていましたが、瞬く間に人気者になり、彼らの歌声は、ヨーロッパ中に知れわたります。
遂にはアメリカにまでツアーに行くほどの大スターになりました。
例えると、昔のビートルズ(The Beatles)やちょっと前だとワンダイレクション(One Direction)のように熱狂的ファンもいたんだそうですよ!
ナチスによる圧力
1933年、国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)がドイツで政権を握りました。
ナチスはまず、彼らにユダヤ人作曲家による歌を歌うことを禁じました。
そしてジャズや実験的な現代音楽をEntartete Musik(退廃音楽)と呼び、歌う事を禁じました。
そのうち彼らが公共の場所でパフォーマンスすることさえも禁じました。
コメディアン・ハーモニストにはさらに困難が待ち構えていました。
メンバーの3人がユダヤ人あるいはユダヤにルーツがあり、そのほかのメンバーの1人はユダヤ人女性と結婚していたのです。
ユダヤ人3人はドイツを離れるしかありませんでした。
残された3人はドイツで活動を再開しましたが、間もなく政府によって鎮圧されました・・・。
国外脱出した3人は・・・
ウイーンに逃がれた3人は活動を再開し、ドイツを除くヨーロッパ各国、アメリカ、オーストラリアなどなど色々な国へツアーしました。
しかし、1938年以降はウイーン(オーストリア)での活動もできなくなってしまい、どこかほかの移住先を探すことになります。
1940年、彼らはオーストラリアへの移住を本格的に検討していました。オーストラリアでの彼らの人気は高く、尚且つオーストラリア政府からも受け入れをオファーされていたのです。
ところがそんな矢先に、ツアーで滞在していたアメリカが世界大戦に参戦することを決めたため、彼らはアメリカで立ち往生することになったのです。
オーストラリア行きは事実上水の泡となりました。
次第にアメリカ国内でもドイツ人グループに対するヘイトが加熱。
彼らは仕事がなくなってしまいました。
そして、やむなく解散することに・・・。
唯一の救いは、メンバー6名全員が第二次世界大戦を生き延びたことでしょうか。
でも、メンバーが再結成することはなく、彼らは人々の心からも完全に忘れ去られました。
終戦後
終戦から何十年も過ぎました。
1975年にコメディアン・ハーモニストのドキュメンタリーが制作されることとなり、製作者は世界中に散らばった生存するメンバーへのインタビューを試みました。
1977に放送されたこのドキュメンタリーへの反響は非常に大きく、放送後にはレコードが再リリースされたほど!
🧏🏻♀️「私のドイツ語の先生もこれでコメディアン・ハーモニストを知った1人です!」
1997年にはコメディアン・ハーモニストの波乱の半生が映画化されました。
🧏🏻♀️「オンライン授業の中で、この映画の一部を見せてもらいました。」
この映画の中で、俳優たちはリップシンク(口パク)でコメディアン・ハーモニストのオリジナルの歌声に合わせているんですよ!
映画はその後ミュージカル化され、ミュージカルでコメディアン・ハーモニストを演じた6人の俳優は「Berlin Comedian Harmonists」というグループを結成し、コメディアン・ハーモニストの20〜30年代の歌を歌っています。
↓こちらが「Berlin Comedian Harmonists」の皆さまです。
当時は戦争やナチスによって海外に逃亡する歌手やアーティストが大勢いました。
実力も人気も博しながら活動停止を余儀なくされたコメディアン・ハーモニストの6人。
悲劇ですよね。
それでもコメディアン・ハーモニストのとても心地よい歌声が時を超えて大勢の人々の心に響いたから、映画化やミュージカル化にまでつながったんだと思います❤
偶然にも、今日1月27日は「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」です。
人種、宗教、思想、国境、政治、戦争
こんなことで、人が人を殺すことを早くやめたらいいのに。って思います。
それでは、今回はこの辺で。
お付き合いいただきありがとうございました。素敵な1日を❤️ ユキ
See you soon! Yuki
🧏🏻♀️宜しければこのブログをお友達にもご紹介ください❤️
0 件のコメント:
コメントを投稿